近年、FX取引においてコピートレードは人気を集めています。しかし、中には投資家を騙し取る詐欺まがいのサービスも存在します。その1つが2023年に大きな話題となった「FX Assassin」集団詐欺です。私も昨年200万円を投資し、全損してしまいましたので、一例として紹介いたします。
コピートレードとは
コピートレードは、特定の海外証券口座を使って登録されているトレーダーと自分の証券口座を紐づけし、トレーダーの運用成績の比率で自分の証券口座の資金を自動で運用してくれるサービスです。トレーダーが利益を出せば、自分の口座の資金が増え、トレーダーが損失を出せば、自分の口座の資金が減ります。国内の証券会社では、コピートレードは規制の対象となっているので、利用できる会社はありません。
Xや、LINEを使って勧誘してくるトレーダーが主流です。大抵のトレーダーは、億万長者を装っていますので、誰もが少ない資金から億万長者になれるのではないかと思って投資することが多いと思われます。
コピートレードのメリット
- トレードの知識は一切不要
- トレーダー任せに自動で資金運用してくれる
- FXチャートを見る必要がない
コピートレードのデメリット
- トレードの知識が蓄積できない
- 海外口座の為、万が一の場合に資金が保証されない場合がある
コピートレードができる証券口座
以下はコピートレードを取扱う海外証券口座です(2024年4月時点)。
詐欺の手口
2021年頃から、証券口座のFX Assassinに登録していたプロトレーダーを装った約20名のグループが活動し、約2年間にわたって入念に実績を積み上げ、コピートレードを希望する数万人規模のフォロワーを獲得していました。彼らは、日々のトレード成績をXを介して、自身の口座にリンクさせる投資家を引き寄せ、LINEやDiscordを通じて無料で会員に有益なトレード情報やトレード成果を配信し、信頼関係を築いていました。この2年間、ほとんどのトレーダーが利益を上げており、詐欺の疑いはほとんどありませんでした。
コピートレードのサービスを提供する「FX Assassin」は、詐欺発覚する数カ月前から高額なボーナス(入金額に対して200%付与)を提供し、新規の投資家集めに重点を置いていました。私も不信な思いを抱きながらもそのボーナス付与に魅力を感じ資金投入していました。
2023年7月のある日、口座資金は数時間でロスカットまでの損切となり、異変に気付いた翌日には口座資金がゼロになっていました。実際には彼らの取引は偽のものであり、ネットを介して調査したところ、この詐欺事件で何万人もの方が被害に遭い、中には億単位で資金を預けていた方もいたようです。
弁護士に相談しましたが、訴訟には20万円前後の費用が発生し、取り戻しても全額の内7割が限度だという説明を受け、結果的には手持ちの資金がなかったため、警察に被害報告して終わりました。実際に警察は証拠不十分として事件として取り扱わず、損害届を受理せず、私が説明した内容を記録するのみに留まりました。このような被害は日常茶飯事なんでしょう。
注意すべきポイント
FXコピートレードサービスを検討する際に注意すべきポイントはいくつかあります。
過剰な約束
高い利回りや100%の成功率など、過剰な約束をするサービスには警戒が必要です。FX取引において、100%成功などなどは存在しないと思った方が良いです。
未証明の成績
サービスが過去の成績を示していても、それが本物かどうかを確認することが重要です。成績の偽装や信頼できない証拠がある場合は注意が必要です。ここはなかなか見抜くことは難しいです。Assasinって日本語に訳すと暗殺者なんです。金融機関がそもそもこんな名前を付けた段階で疑わないとダメですね。
ライセンスや規制の欠如
信頼できるFX証券会社は、適切なライセンスや規制を受けています。それらが欠如している場合は、詐欺の可能性が高いです。証券会社がその国の金融ライセンスを保有していない、登記されている住所に事務所が存在しないなどが一例です。
最初にForexland.comのサイトでコピートレードを始めました。あるトレーダーが1週間で原資を100倍にしたことを見かけました。その成功に感銘を受け、私もその一人になるためそのトレーダーのフォローワーとして参加しました。しかし、初回のトレードで10倍にするとか言ってましたが、これぞとばかりに数十万投資したところ、数時間で全損になりました。傾向として、最初の1,2カ月は利益を着実に上げ、フォロワーが安心したタイミングで損切することが多かったです。もちろん、コピートレードで利益を上げている方は多いでしょうが、私にとってはうまくいきませんでした。
FX投資における情報提供と法的リスク
FX投資に関する助言や個別指導などの有料斡旋行為には、投資助言の資格が必要です。Xを中心に発信されているトレーダーの方々は、すべて偽名で情報配信をされており、投資助言の資格所有者は誰一人として見かけません。確かにエントリー候補の情報開示によって、トレード初心者の方には有益な情報として受け取られ、実際に資金を増やすことに成功している方が多くいると思います。
しかし、投資助言・代理業の登録をせず、投資助言・代理業の営業した場合、金融商品取引法によると「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」となっております。
私も良かれと思ってウェブサイトで情報発信を始めましたが、内容によっては同様に犯罪行為として処罰される可能性があるため、自らも慎重に注意しながら、皆さんが自分でテクニカル分析ができる内容に限定した有益な情報を提供したいと思います。
まとめ
FX Assassinなどのコピートレード詐欺は、投資家にとって大きな衝撃を与えました。被害総額は、30億円以上と言われています。投資を行う際には、信頼できるサービスを選択し、自己のリスク管理を徹底することが重要です。また、投資に関する決定をする前に、該当サービスについての情報を確認することも大切です。
最終的に、投資家は自身の資金とリスクに責任を持ち、慎重に行動することが不可欠です。その経験から学んだことは、お金に関わる話で過剰な利益を約束する言葉ほど、まずは疑って接した上で慎重になるべきだということです。
現在も、Xにてプロトレーダーを装った方もコピートレードされていました方が存在します。1週間で1億円を稼いでいる風に発信していますが、コピートレードをされている際は、まったく異なる成績でした。お金に関する話には、詐欺や不正な取引がつきものであるという認識を持つことが大切です。FX Assasinで詐欺に関わったトレーダー達が今もなお、Xで別名を名乗り投資助言の様なふるまいをおこなっているんだろうと考えます。投資においては、他人の助言や情報のみに頼るのではなく、自分自身で情報を検証し、リスクを理解することが不可欠です。
投資は将来の収益を追求する行為であり、そのリスクを理解し、自己責任で行動することが重要です。他人の意見や提案に惑わされず、自分自身で判断し、責任を持つことが投資成功の鍵となります。